中学理科の勉強法|「わかったつもり」から抜け出す3ステップ

「ワークは何周もしているのに、テストになると解けない」
「授業では『わかった』と言うのに、点数につながらない」

中学理科で、保護者の方からよく聞くお悩みです。

その原因の多くは、能力や努力の量ではありません。「わかったつもり」のまま、次に進んでしまっていることです。

この記事では、現役の中学理科教師として授業で大切にしている考え方をもとに、「わかったつもり」から抜け出す3つのステップと、ご家庭でできる声かけをご紹介します。

りりり先生

「わかったつもり」は、誰にでも起こります。がんばっていないわけではないので、安心してくださいね。

この記事でわかること

✔️ 「わかったつもり」と「わかった」の違い

✔️ 理科の理解を深める3ステップ(予想する・確かめる・説明する)

✔️ ご家庭でできる声かけ

目次

「わかったつもり」ってどんな状態?

答えを見れば「そうそう」と思える。用語も言える。でも「なんでそうなるの?」と聞かれると、言葉に詰まってしまう。これが「わかったつもり」です。

理科のテストでは、ワークと同じ形の問題ばかりが出るわけではありません。実験の条件が少し変わったり、図の向きが変わったり、「理由を説明しなさい」と聞かれたりします。答えの形だけを覚えていると、こうした問題で手が止まってしまいます。

わかったつもりわかった
用語言える言えて、意味も説明できる
問題ワークと同じ形なら解ける形が変わっても、考え方で解ける
「なんで?」と聞かれたら答えを思い出そうとする理由を自分の言葉で話せる
間違えたとき答えを写して終わるどこで考えがずれたかを探す

見分け方はかんたんです。「なんで?」と聞かれて、自分の言葉で説明できるかどうか。説明に詰まるところが、まだ「わかったつもり」の部分です。

りりり先生

「なんで?」と聞かれてドキッとしたところが、伸びしろです!

「わかったつもり」から抜け出す3ステップ

「わかったつもり」から抜け出す3ステップ。1 予想する(答えを見る前に考える)、2 確かめる(どこがずれたかを見る)、3 説明する(先生役で教えてみる)、そして「わかった!」へ

ステップ1 予想する

答えや解説を読む前に、「たぶんこうなるんじゃないか」と予想を立てます。

当たっていなくても大丈夫です。予想があるからこそ、答えを見たときに「やっぱり!」や「えっ、違った。なんで?」が生まれます。この「なんで?」が、理解の入口になります。

りりり先生

予想はハズれてもOK!ハズれたときの「えっ、なんで?」が、いちばん面白いところです。

ステップ2 確かめる

教科書、ワークの解説、実験の写真や動画で、予想が合っていたかを確かめます。

ポイントは、合っていたかどうかより「どこがずれていたか」を見ることです。間違いは失敗ではありません。自分の考え方のくせを見つける、いちばんのヒントです。

ステップ3 自分の言葉で説明する

最後に、教科書の言葉をそのまま使わずに、自分の言葉で説明してみます。おすすめは、おうちの人や友だちに「先生役」として教えることです。

人に説明しようとすると、自分がどこをわかっていないかがはっきりします。説明に詰まったところが、次に確かめるところです。

例:「光の屈折」を3ステップでやってみる

予想する
水の入ったコップに鉛筆を入れると、鉛筆が折れ曲がって見えます。なぜでしょう? まずは理由を予想してみます。

確かめる
教科書で確かめると、光は水やガラスの中では、空気中より遅く進むことがわかります。空気と水の境目で進み方が変わるため、光の道すじが曲がります。これを「屈折」といいます。

自分の言葉で説明する
私の授業では、これを「アヒルさん理論」で説明しています。

たとえば、砂浜から海へ走っていって、足が水に浸かった瞬間、水に足を取られて前につんのめりそうになったことはありませんか? アヒルさん理論は、まさにこんな感じです。

アヒルさんが砂浜の坂を駆け下りて、海に飛び込むところを想像してみてください。先に水に入った足は水に取られて遅くなるのに、体はそのままの勢いで進もうとします。だから前のめりになって、進む向きがくいっと下に曲がります。

光も同じです。空気から水に入ると進む速さが遅くなるので、水面で進む向きが下向きに曲がります。そのため、水の中の鉛筆から目に届く光も水面で曲がり、鉛筆が折れ曲がったように見えるのです。

アヒルさん理論の図。坂を駆け下りたアヒルが水に入ると前のめりになって進む向きが下に曲がるのと同じように、光も空気から水に入ると進む向きが下に曲がる

こんなふうに、自分がイメージできる言葉に置きかえて説明できたら、「わかった」にぐっと近づいています。

りりり先生

自分の言葉で説明できると、理科がぐっと面白くなりますよ!

ご家庭でできる声かけ

保護者の方が理科に詳しくなくても大丈夫です。むしろ「教えて」と頼むほうが、子どもは張り切って説明してくれます。

  • 「どう思う?」と予想を聞く:正解は求めず、考えたこと自体を受け止めます。
  • 「先生役やってみて」と説明を頼む:うまく説明できたら、それが理解できた証拠です。
  • 間違いを面白がる:「おもしろい考え方だね。なんでそう思ったの?」と聞いてみてください。
  • 焦らせない:答えが出るまで、少し待ってみてください。
りりり先生

つい答えを教えたくなりますが、そこはぐっとこらえて待ってみてください(笑)

りりり先生の授業で大切にしていること

私の授業では、「ここはどう思う?」「なぜそうなる?」と問いかけを重ね、思考の流れを一緒にたどります。答えを当てる授業ではなく、考える授業です。

りりり先生

私は、子どもたちと実験や思考実験をしながら、予想が当たったときの喜びや、間違えて「え、なんで?」と食いついてきてくれる瞬間を、一緒に味わうのが大好きです。日々の授業でも、そんな瞬間を大切にしながら、考えることそのものを楽しむ授業をしています。お子さまとも、一緒に考えて、一緒に悩んで、それを楽しめる時間を過ごしたいです!

理科は本来、「なんで?」を楽しむ教科です。正しい答えを覚えることより、「面白い!」と感じながら考えることが、いちばんの近道だと考えています。

まとめ

  • 理科の点が伸びない原因は、能力ではなく「わかったつもり」であることが多い
  • 「予想する → 確かめる → 自分の言葉で説明する」の3ステップで、「わかった」に変えていける
  • ご家庭では「どう思う?」「教えて」の声かけがおすすめ

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